ドリームカムトゥルーを待ちながら

あかにしくんとアニメとキスマイとか雑多に。

永遠の夏を紐解いて

Free!ーEternal Summerー Swimming All Night
に参加してきました。
要はヲタク揃って映画館でアニメ一気見しようぜというイベント。

イベント参加前の私→映画特報見たいけど鬱二期は見たくない(正直)

2014年に放映していたES(二期)は、一期とは違いメインキャラの半分以上が高校3年生になり、「仲間」「水泳」に加えて「将来・夢」がテーマとなっているのですが。
将来の見えない子、夢を諦めた子、見つけた子、掴んだ子と、後半に行くにつれて道が少しずつ違え出して。
主人公の遙がとくに将来が見えなくて悩んでもがいて…としていたのが見ているだけでしんどくて、実はほぼ見返せずレコの中に残っているのです。
ただ約1年振りに見返す機会をもらって、遙たちの表情、言葉、動きに、こんな風に感じていたんだなと思うこともあったので一気見中、刺さったセリフと併せてメモ程度に。



遙「怜、よくがんばったな」
バッタ以外の種目を泳げるようになった怜へ遙の一言。
来年、自分が3年生になったとき限られた種目しか泳げないのでは新入生に示しがつかないのではないか…と悩んでいた怜が、鮫柄で密かに特訓を重ねて泳げるようになった回。決して速いわけでもキレイでもないけれど、怜の悩みも努力もその成果もシンプルだけどきちんと認めた言葉で。怜がそれに泣き笑いしているのを見て、自分の憧れる先輩からこの一言を貰えてほんとによかったねとこっちまでウルウルした。怜ちゃんは本当に良い子…


宗介「言うことなんでも聞くって約束だろ!?」
小学生時代、凛と賭けをして「言うことを何でも聞く」という約束を交わした宗介と凛。
鮫柄に転校してきて、自分も凛と同じチームで泳ぎたいと縋るように言ったこの一言が、それまで凛を見守る立場だった宗介の精一杯の我儘のように感じて愛しかった。


真琴「俺もハルと真剣勝負をしてみたかったんだ。…何でだろう、凛が羨ましかったのかな。」
渚「…そっか」
真琴と遙の関係は、「何でも分かり合ってる幼馴染」で、凛と遙の「お互いがお互いを高めるライバル」には一生なれないんですよね。でもそれは真琴(と遙)が10何年かけてつくりあげた関係で、それはそれで満足していると思う。でも自分には絶対見せない凛へのライバル心とか、傷ついた凛にショックを受けて水泳をやめてしまう姿とか、遙を一喜一憂させてしまう凛のことを羨ましかったと吐露する真琴を、渚のこの返しがうまく包んで次の場面に流せていたなと。
(でもゴールした真琴が泣いているように見えて思いっきり動揺した遙がいたのも事実だから…)

まこはるムックより↓
内海(監督):今までの真琴は、凛みたいに遙につっかかったりすることが全くなく、ほんとに寄り添うような感じで、遙の嫌がることは絶対にしなかったんです。
この二人は以心伝心なので、真琴は遙の嫌がることがわかってしまうというか、どうしても顔色をうかがってしまうみたいな。(略)

内海(監督):真琴と遙は親友ではあるけれど、ライバルではないんですよね。真琴自身、自分たちがそういう関係じゃないっていうのをわかっている。だけど、そういう関係が羨ましかったっていうのはあるんじゃないかと思うんです。


凛「何見てたんだ?」 宗介「…あの頃の幻影。」
凛と楽しく遊んで水泳をしていた小学生時代を思い出している宗介の一言。これにかかってくるのが10話予告なのかと気付いてもう…。

(10話予告)
宗介「いつまでも子供のままでいられたら、どんなにいいだろう。あの頃に見ていた夢をずっと見続ける事ができたら。」
凛「何言ってる!夢を見続けるって事は、眠ってるってことだ。起きろ宗介、夢は掴むためにある!」
宗介「なぁ凛、あの頃の夢、覚えてるか?」

凛の「夢を見続けるってことは眠ってるってことだ」「夢は掴むためにある」って、すごく良い言葉だけど、大きな夢を失った宗介にとっては痛い言葉だなあ、と。起き上がって夢に向かって走り出す凛と、失った夢を見ようと再び眠りにつこうとする宗介。


宗介「これだけはハッキリしてる、もっと泳ぎてえ」
もう…もう……。


真琴「ハルはハルなりに、いろいろ考えてると思うよ」 凛「…言わなきゃわかんねえ」
地方大会前日のまこりんの会話。やっぱり考えてることが何となくわかっちゃう幼馴染真琴と比べて、言わなきゃわかんないって返すとこがスーパーエースメンバーカラーはもちろんREDの松岡凛だな!って感じて萌えた。


凛「俺は先に行くぜ。」
進路に悩み苦しむ遙の夢に出てきた凛の一言。夢の真琴渚怜たちにスカウトされるなんてすごい!と強引に背中を押される中、言い方は変だけれど「水泳」に関しては自分と同じところにいた凛が、「水泳(競泳)」で夢を見つけて、先へ行ってしまう。遙は自分の将来がわからないということよりも、みんなが、凛が夢を見つけて走り出していることのほうが焦りを感じていたのかもしれない。
ここリアルタイムで見てた時「ハルちゃんを置いて行かないで…;;;;」って泣き叫んでたけど今回もやっぱり泣いた。


遙「夢って何だ、将来って何だ?それはお前のだろう!俺はお前とは違う!俺にはそんなものはない!」
自分と同じ世界の舞台に立ってほしい思いをぶつける凛に、自分が何のために泳いでいるのかわからなくなった遙が激昂するシーン。一期二期通しても、遙がこんなに感情を露わにしたのはここだけで、この回はとくに遙に対しての容赦ない非難も見かけて辛かった。
遙は感情を表に出さない分すごく繊細な子なんですよね。自分のテリトリーに入って来る人は慎重に選んでいるし、ズカズカと入ろうとする人は苦手なイメージ。(凛とか貴澄とか)
でもその分いったん懐に入らせると甘いし、振りまわされるし、でも突き離せないし。「周りは関係ない、泳ぎたいから泳ぐ」という内向的思考も不用意に傷つかないように張った防衛線のひとつなのかなと。
その過度な内向さがとうとう遙を追い詰める要因にもなったんだけれど、このときの凛の言葉だったりこの後の真琴との喧嘩だったり、内に閉じこもる遙の扉をガンガン叩いてくれていた場面はたくさんあったと今回のオールナイトで感じた。当時まったく気付かなくてごめんね・・・。(遙厨)


宗介「お前と泳ぐことで凛の可能性は引き出される。あいつにはお前が必要なんだ。俺はあいつに世界の舞台に立って欲しいんだ。俺が立てなかった世界の舞台に。」
宗介が遙を良く思っていなかった理由のひとつに、自分は夢を失ってここに戻って来たのに、才能のある遙がつかめそうな夢に手を伸ばさないその姿勢、があるのかもしれないと気付いた。宗介はうじうじしている遙が凛の側にいる=凛の足を引っ張るから嫌だったわけで、凛が世界の舞台に立つには遙という存在が必要だということは認めているんだなと気付いた。でも本当はその存在に自分がなりたかったんだ、とも。


真琴「本当はハルだって見つけたいと思ってる、ハルはそれを見つけて外の世界へ飛び出すべきだ!ハルはその力を持ってる!」「みんなハルが好きだから。大事に想ってるから。」「…俺、東京の大学に行く」

しんだ。しんだよー^^
この喧嘩の前に、凛と遙が喧嘩し、宗介の秘密を凛が知ってしまうし、追い詰められた遙がレースの途中で立ってしまうわでこれ本当に京アニ萌えアニメ…?って頭抱えるくらいにMPガリガリ削られてた矢先のサンクチュアリ崩壊(すれ違い→喧嘩→離別フラグ)で当時喧嘩後のハルちゃんみたいに布団くるまって沈んでいた。萌えを期待して見ていた京アニにこんなに泣かされるとは誰が想像しただろうか。

でも幸か不幸か、遙が真琴にこんなに依存していたんだと気付くのもこの喧嘩がきっかけで、真琴ばかり遙を気にかけていたように見えるけれど、それと同じぐらい遙も真琴のことを気にかけているし、依存しているんだなと。もはや依存しすぎて一歩間違えたら崩壊する。(原作では中学生真琴が他の子と仲良くする遙を見て病んで海に入水自殺しようとするよ☆)(語弊)


凛「努力しても天才には勝てないのか、夢は夢なのか。」
オーストラリア留学中の自分を振り返っての一言。原作ハイスピで、宗介が留学中の凛からの手紙を遙に見せるシーンが被った。

『毎日が悔しさの連続だ。そのうちに慣れてしまって、悔しいことが悔しくなくなるんじゃないかって、それが怖い。だけど絶対に諦めない。くじけたりしない』

この手紙でも弱さは見せなかったし、この留学中の下りを話すときも、留学中のことを言うのは初めてだよな、と前置きしたり。
普段見せない弱い部分を曝け出してまで凛が伝えたかったのは、
押しつけがましいかもしれないけど、それでも自分の世界で、こんな狭いプールで満足してほしくないってことなんだよなあ。それじゃとびきり心の奥の夢の正体見せるぜ…!(ED歌詞)


凛「後ろから追い上げてきたお前の気配に、俺は確信したんだ。やっぱりこいつは俺と同じ世界に行くやつだって。なあハル、お前あの時何か感じなかったのか」
ES1話の勝負で確信したことを遙に言う凛。だからこそ、ずっと遙の将来をずっと気にしてたし、うざいくらい干渉してきたんだなと。凛にグイグイ来られて遙が若干迷惑そうにする感じ、小学校もそうだったじゃん!と今更気付いて何だか微笑ましかった。その延長とは言い難いぐらいの鬱さだったが。
凛にとってずっと、時に隣で、時に前で泳いでいてほしい存在は遙だって、知ってたけど改めて見ると私こういう追いついたり追いつかれたりする関係性すごい好きだな…!と思いました。(正直)

本当は最終回の2年ズが泣いちゃうところも、レース後の岩鳶の笑い泣く姿もやっぱり良いなあ、最高だなァと思ったんですが泣いてて最早それどころではなかった…。


今回見てて、人間を静と動で分けるとしたら、動が凛・渚で、静が遙・真琴・宗介・怜だなと思った。動が、所謂物語を動かす人で、誰かの太陽になり得る人。静は、物語を受け止める人。宗介にとって凛は夢のゴール地点で、遙にとっては夢の扉を開けた人。悔しい、もうやっぱり凛カッコイイなと思って見てた。

遙の世界の初めての異物(私は某本を読んで以来、この理論をよく展開する)が凛なんだ。
そして色鮮やかな凛の世界に一際すごい輝きを放ちながら落ちてきたのが遙なんだ……シンメ最高!(結局)

あと、一気見だったせいか思ったほど辛くはなかったです。結末も知ってるし、あとヲタクたちで見てたってことも大きかったかも。同じ画面見ながら、時に萌えでざわついたり、笑ったり、泣いたりと同じ感情を共有しながら見るって、知らない人ばかりだけど案外救われるものだなあと。少し暗いアニメほどおすすめかもしれない。