ドリームカムトゥルーを待ちながら

あかにしくんとアニメとキスマイとか雑多に。

映画「心が叫びたがっているんだ」 感想

9月19日に映画「心が叫びたがっているんだ」観賞及び舞台挨拶に行ってきました。
実はこの映画を、見に行くつもりは正直なかった…ので、前情報も一切なく見てきました。

幼い頃、何気なく発した言葉によって、
家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順。
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
 高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実、甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹、恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月。彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。(映画『心が叫びたがってるんだ。』から)


感想を一言で伝えるなら「やっぱりマリー脚本」だった。
人間関係がもたらす心の機微の描写には定評があり、人間ドラマを扱った作品に評価の高いものが多い。特に『true tears』『とらドラ!』における、キャラクター間のドロドロとした描写は卓越しており、この両作でアニメ脚本家として高い評価を得るようになった。(岡田磨里とは――http://http://dic.nicovideo.jp/a/%E5%B2%A1%E7%94%B0%E9%BA%BF%E9%87%8Cより)

私は「true tears」が大好きだし、BRSもあの花も諸々見てきたしマリー脚本決して嫌いではないんだけど…これは青春か?青春なのか?と後半はとくに疑問に思いながら見ていた。
ただ良いなあと思う部分もあったので舞台挨拶レポ含め感想を。

「心が叫びたがってるんだ。」特報第2弾


■優しすぎて、卑怯者
主人公の成瀬が坂上くんに自分の本音をぶつけるシーンで言ったこの一言が個人的には「わかるぅ…!」と学生時代の自分が顔を出すぐらい突き刺さって抜けなかった。誰にでも優しい人、他人を傷つけない人。好意を持たれても、持たれていなくても平等に接する人。でもそれは残酷なことでもあるのだと。
坂上くんは中盤までこっちが勘違いするくらいには成瀬に優しくて、成瀬を想っていて(いるように見えただけかもしれないが)、その優しさで成瀬の心の扉を開けようとする。
坂上くんは成瀬が自分の伝えたいことを言えるように応援していて、でもその優しさが成瀬を傷つけていて…という、何だかなぁ、報われないなぁ。
でも、本音なんてなかなか言えるものではないし、坂上くんはとくに言わないよう押し込める子で。ただ、言いたいことは言わないと伝わらないし、伝えないことはその人を傷つけたりもするのだと。坂上くんが成瀬が前に進むのを手助けしたように、坂上くんの心の中の重い蓋を開けてくれたのは、成瀬のこの言葉なんだなと思った。
ただ、互いに前に進むきっかけをくれたのに……というもやもやさはすごく残った。(正直)


■ミュージカル曲の美しさ
文化祭ではなく、地域ふれあい交流会(ふれ交)という、優劣はつけないがクラスが結束する行事を選んだのはさすがだなと。(物語の軸がぶれないから)
そして敢えて普通の高校生はまず選ばないミュージカル(しかも成瀬脚本のオリジナル)を題材に持ってきているんですが、話すことはできない成瀬が歌だと伝えたいことを伝えられる、という、これも面白い設定で、だからこそミュージカルが活きてくるなあと思った。また、歌自体は、悲愴やOver the Rainbow、Around The Worldなど誰もが一度は耳にしたことのある曲にオリジナル歌詞を乗せて歌っていて馴染み易い。
その中でも、物語を締めくくる「悲愴×Over the Rainbow」がとくに綺麗で、観賞中も惚れ惚れしながら聴いてた。ここだけでも、見に来てよかったな…と思ったぐらい。成瀬役の水瀬さんと仁藤役の雨宮さんが良い声をしていらっしゃった…水瀬さんいつものアニメ声どこ置いてきたんですか。(褒めてる)
もちろん坂上くん役の内山くんも田崎役の細谷も美声でした。ありがとうございました。
iTunesでDLしました!(軽率)


ストーリー自体は、「生きていればどこかしらで感じる痛点を想い切り開かされる」ような。これを痛点だと思わない人も、いつか出逢う痛みなのかも。鮮やかな青春を送ってきた人にも、少し捻くれた青春を送ってきた人にも、何かしら胸に残る「痛み」を描いている、そんな映画でした。




以下、舞台挨拶レポ


内山くん、足長い(定期)。さすが平成生まれ…あと声質やっぱり石田に似てる。
縮こまっているキャストの中でも比較的のびのびと話してて(観賞前だからネタバレNGです!とか言ってネタバレしそうになる登壇者止めたり細谷弄ってくれたり)、良い子だなあ。足長い。
細谷、かしこまっているんだけど内山くんいるおかげかちょこちょこボケてたり、他の登壇者のボケに顔を逸らして笑ってたり可愛かった。


・内山「当時ノイタミナあの花とC(シー)をしてて、僕こっち(C)に出てて…あの花、売れてんなぁって……」←ここワロタ。やってたね(笑)

・主演決まったことを事務所の人ではなく細谷に教えられた内山くん。しかもタイトルがうろ覚えだった細谷(いいのか)
内山「内山さん、心なんとかのオーディション受けたでしょって言われて。あれ一緒ですから!って細谷くんから。普通は事務所を通して言われるんですけどね」
細谷「嬉しくてフライングしちゃいましたね…」

・細谷「30分もののアニメは皆さんが思い描く、ザ・王道アニメーションというか、手をパーにすれば、ビームがでるみたいな…(会場苦笑)、そういうの結構多くあって、そういうのも非常に楽しいんですけど。自分は、この仕事を始めたときから、日本映画の脚本で、実写映画ではなくてアニメーションで表現したような映画にすごく憧れていて出たいなーとずっと思っていたので嬉しかったです。」
手をパーにすればビームが出る、のくだりがポンコツすぎて笑った。

・水瀬さん、新人さん…?今年20歳で、茅野ちゃんとも仲良しだとか。一生懸命喋る姿が新卒面接みたいで和む会場。ひたすら可愛くてこっちもニヤける。

・雨宮さん、当初は成瀬役でオーディションを受けたが、二次で仁藤役になったそう。雨宮さん美人だったなあ。

・高校時代、休憩時間は雑談していた内山くんと細谷。テスト期間中にラーメン行くのが楽しかった内山くん。
フジ女子アナ「何気ない日々が楽しかったんですね…」
内山くん「人の高校生活つまんないみたいにするのやめてもらっていいですか!」(会場爆笑)

この辺りから女子アナ(オザワさん/リア充風)を弄りだす内山くんと細谷。

・高校時代は演劇部と剣道部を掛け持ちしてた細谷。ラーメンの下りで、すごい下手くそな食べ方をする友達がいたことを思い出した細谷。
細谷「…そんな高校生活でしたけどすごい楽しかったですオザワさん!」
内山くん「オザワさんはラーメン食べるんですか?」
フジ女子アナ(リア充風)「あ…行きます!」
内山くん「水瀬さんは?(無視)」
この下りワロタ。


内山くん、優しさの塊みたいな坂上くんにぴったりの声だったなあ。落ち着く。
ピアノを弾きながらのこぼれ落ちるような低い歌声も心地よかった。

細谷(田崎役)は、宗介(Free!ES)に近い声だったけど、声を荒げるシーンもあり「お?カッコいいぞ?」とときめく。
坂上くんが成瀬の気持ちを気付いてないことに気付いた田崎の、絞り出すような
「お前が、それを…!」という声が個人的には一等素晴らしかった。
どちらかというと落ち着いた役を貰うイメージだったので、田崎のような青臭い役は新鮮でした。